長期残効型土壌処理剤使用後の芝の育成
昨今、秋にできるだけ長く残効のある除草剤を使用することが主流となっており、それは根の生育や、処理後の芝の萌芽に少なからず影響を及ぼす可能性があり ます。その結果、翌春の根の生育、芝の萌芽に少なからず影響を及ぼし、結果的に夏越しに十分なクオリティーのターフを作ることができないまま、また秋を迎えるという負のスパイラルに陥ってしまうケースが見受けられます。
そのような不安を払拭するために、日本芝の根系・ランナーに安全性の高い除草剤「フェナックスフロアブル」をお奨めします。
フェナックスフロアブルの特長
// 日本芝の根系・ランナーに安全性が高い
- 日本芝の根系に対する影響が少ない
- 芝の根の生育を健全に保つことができる
- ストレスを受けた芝を健全に回復させる
// ユニークな作用性
- 光を介して作用する(光要求型除草剤)
- 雑草のクロロフィル合成回路を阻害
// 安定した土壌処理効果
- 水溶解度が低く(0.37ppm)、土壌中で移動性が少なく、安定した土壌処理層を形成
- 推奨薬量0.15ml / ㎡で、90日以上の残効
フェナックス フロアブルの農薬ラベル
*印は本剤およびその有効成分を含む農薬の総使用回数の制限を示す
- 使用の際は容器をよく振って均一な状態にしてから所定量を取り出すこと。
- 本剤は一年生雑草の発生前に有効なので、時期を失しないように均一に散布すること。
- ナデシコ科(ツメクサ・ミミナグサなど)には効果が劣るので、それらが優占する圃場では使用をさけること。
- 寒冷地型芝には薬害が生じるので使用しないこと。
- 日本芝の生育期には黄化や生育抑制などの影響が生じる場合があるが、1~2週間程度で回復する。
- 本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法などを誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
有効成分と性状
// 種類:オキサジアルギル水和剤
// 有効成分および含有量:オキサジアルギル…35.4%
// 性状:淡褐色水和性粘稠懸濁液体
// 荷姿:500ml×6本
人畜・魚介類に対する安全性(製剤)
// 人畜毒性
- 急性経口(ラット♀):LD50>2,000mg/kg
- 急性経皮(ラット♂♀):LD50>2,000mg/kg
- 目刺激性(ウサギ):なし
- 皮膚刺激性(ウサギ):なし
- 皮膚感作性(モルモット):なし
// 水産動物に対する影響
- コイ:LC50>399mg/L(96hr)
- オオミジンコ:EC50>151mg/L(48hr)
- 藻類(緑藻):ErC50 0.0118mg/L(0-72hr)
フェナックスフロアブルの効果発現
フェナックスフロアブルの作用性(PPO阻害剤)
// クロロフィル合成経路を阻害
// 光の存在下で、活性酸素を発生させ、細胞膜の過酸化損傷を引き起こす(→細胞枯死)
フェナックスフロアブルの上手な使い方
// 前年の秋に長期残効型の土壌処理剤を使った場合
// フェナックスフロアブルは、日本芝の萌芽前、萌芽初期~中期位までの使用がおすすめです。
// 広葉雑草の多い場所にはデスティニーWDGとの組み合わせがおすすめです。
// スズメノカタビラの多い場所にはトリビュートOD、アージラン液剤との組み合わせがおすすめです。
注意:5月以降の使用は日本芝に対して黄化などの薬害の恐れがありますので、使用しないでください。