殺菌剤混用可否表

殺菌剤散布時の散布水量、気にしてますか?

ゴルフ場大国であるアメリカの文献*を参考に、日本との違いを考えてみました。

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*参考文献:Spraying for Success - It starts With Nozzle Knowledge(農薬散布の成功はノズルに関する知識から始まる)より抜粋

////// 以下の3つのタイプの散布器具やチップを使い分けることによって、より効果的な防除が可能に

 

芝生の葉に薬液を付着させるもの


芝生の地際部に薬液を付着させるもの


床砂中に薬液を浸透させるもの

スプレーヤーノズル

スプレーヤーノズル

 

////// ノズルの種類から見えるアメリカにおける一般的な散布水量の考え方

 

芝生の葉に薬液を付着させるもの


// 散布水量としては20mL/㎡~40mL/㎡

// ダラースポットをはじめとする葉枯性の病害に有効です

// 接触型の殺菌剤や浸透移行性を有する殺菌剤の散布に適しています

// 少水量散布を行っても、朝露が残っていると効果が低減しますので、少水量散布時に朝露が残っている場合は朝露切りを行ってからの散布を推奨します

// 特に夏期高温時には薬害に注意が必要です

ダラースポット病

ダラースポット病

 

芝生の地際部に薬液を付着させるもの


// 散布水量としては40mL/㎡~80mL/㎡

// 炭疽病、ピシウム病、ブラウンパッチや雪腐病などに有効です

// 浸透移行性を有する殺菌剤や接触型の散布に適しています

// 水量80mL/㎡で散布する場合は、水滴はやや大きめになるようにして、ポンプの圧力を下げることを推奨します

炭疽病

炭疽病

 

床砂中に薬液を浸透させるもの


// 散布水量は最低でも80mL/㎡、できれば160mL/㎡以上が望ましいです

// フェアリーリングやテイクオールパッチなど土壌中に病原菌が生息している病害に有効です

// 散布後の後散水も効果的ですが、散水量が多いと薬液が表面を流れてしまったり、均一に散水できない場合がありますので注意が必要です

フェアリーリング

フェアリーリング

 

////// 日本の一般的な散布量と比べると?

 

日本では一般的に少水量散布は100mL/㎡、通常散布は150~200mL/㎡、多水量散布は500mL/㎡以上と考えられていますが、全体的にアメリカに比べて2倍以上の散布水量で散布しているようです。

日本では殺菌剤の登録内容や、散布機械の普及、薬害リスクの問題などもあり、散布水量40mL/㎡などは今のところ広く普及に至っていない状況ですが、散布水量をもう一度見直してみるのも殺菌剤の効果を高めるひとつの方法かもしれません。


////// ベントグリーンに発生する病害の生息部位

殺菌剤の散布水量を決める際に、ぜひ参考にしてください。

 

// 地上部(葉身)

菌の生息部位:地上部(葉身)
ダラースポット病
細菌病
カーブラリア葉枯病

 

 

// 地際部(葉鞘)

菌の生息部位:地際部(葉鞘)
炭疽病
赤焼病
ピシウム病
イエローパッチ

 

// 地下部(根部)

菌の生息部位:地下部(根部)
フェアリーリング
テイクオールパッチ
サマーパッチ
イエロースポット
ピシウム病

 

バイエルがお勧めしているグリーン用殺菌剤「ストレスガード製剤」の推奨散布水量は100mL/㎡です。今年は散布水量に注意しながら、グリーンの病害防除に努めてみてはいかがでしょうか。

 

ストレスガード製剤3剤

 

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芝草通信vol.35