殺菌剤混用可否表

赤焼病・ピシウム病ってどんな病害?

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///// ピシウム性病害とは?

赤焼病・ピシウム病は、今のところ下記の表のように分類されています。

<ベントグラスに発生する主なピシウム菌による病害>

ベントグラスに発生する主なピシウム菌による病害

参考文献:芝生病害アトラス 3rd Edition 八田、日本植物病名データベース 2020年時点

すべてをまとめて「ピシウム性病害」と呼ぶこともあります。

赤焼病菌以外のピシウム性病害の総称がピシウム病

 

///// 赤焼病、ピシウム病の症状は?

 // 赤焼病:高温多湿の条件下で発生する。黄化、灰色もしくは赤褐色のパッチ状に発生し、1~2日でグリーンが全滅することもある

 // ピシウム病:年中いつでも発生の可能性がある。症状は円形、リング状、不定形など様々。色調は黄化~褐色、大きさも様々であるため肉眼での診断は困難である

ピシウム病

 

///// ピシウム菌とはどんな菌?

 // 条件寄生菌・・・通常はサッチや土壌の死細胞や有機物から養分を摂取するが、条件が揃うと生きたベントグラスなどに取り付いて病原菌となる

 // あらゆる土壌に生息しているが、水生菌の一種なので生長発達には十分な水分が必要

  

 

///// ピシウム菌の生活環

ピシウム菌の生活環

① 卵胞子は耐久体であり、羅病したベントグラスの体内やサッチなどで休眠状態にあり、長期間生存できる。

② 羅病したベントグラスやサッチなどが微生物などによって分解され消失すると卵胞子は土壌中に裸出する。その後、根やサッチなどから滲出してくる栄養に素早く反応して発芽し、腐生生活を営むようになるが、発病に好適な条件下ではベントグラスに侵入する場合もある。

③ ピシウム菌は水中で遊走子のうを形成し、その先端にさらに球のうと呼ばれる皮膜で覆われた器官を形成する。この球のうで遊走子分化が起こる。

④ やがて球のうの一部が破れて、大量の遊走子が放出される。遊走子は鞭毛を用いて水中を遊泳分散する。ピシウム性病害が発生した後、一気に病斑が拡大するのはこの遊走子によるところが大きいと考えられる。

⑤ 遊泳していた遊走子はやがて球形となり細胞壁を形成する(被のう化)。この時に鞭毛は脱落する。被のう化した遊走子=被のう胞子が発芽してベントグラスに侵入する

参考文献1:「植物病害の発生と水管理」一谷多喜朗 芝草研24-1 1995

参考文献2:「疫病菌とピシウム菌 類似点と相違点」築尾嘉章、東條元昭 植物防疫67-10 2013

参考文献3:「ピシウム菌による病害」東條元昭 植物防疫58-3 2004

 

///// ピシウム性病害防除のポイントは?

 // 耕種的防除が重要

遊走子のうの形成や遊走子の遊泳などは水中で行われるため、水分をなるべく少ない状態に維持しておくことが最大のポイント

そのためには・・・

  • 過剰散水の抑制(手散水の併用)
  • 更新作業や目砂散布によって、表層の透水性を改善
  • グリーン周辺樹木の伐採や剪定などによって、日照と風通しを確保

などが大きなポイント

手散水

↑手散水

更新作業

↑更新作業

伐採・剪定

↑伐採・剪定

 

ポイント

//// 殺菌剤の予防散布も効果的

 // 発生前の殺菌剤予防散布が基本中の基本

 // 耐性菌が発達しやすいため、異なる系統の殺菌剤のローテーション散布は必須

 // 特に梅雨明け以降の7月~9月は要注意

殺菌剤のローテーション散布

 

///// 新発売:新しいチカラで赤焼病・ピシウム病防除「ローバーフロアブル」

ローバーフロアブル

 // ローバーフロアブルの3つの特長

  • バイエルがおすすめする赤焼病、ピシウム病専用の殺菌剤
  • 既存剤とは異なる唯一の作用機作で殺菌剤のローテーション散布に貢献
  • 菌糸伸長、遊走子のう形成、発芽阻害だけでなく、遊走子運動を強力にブロック

 

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芝草通信Vol.37