いもち病

病原体:マグナポルテ菌(不完全世代名 ピリキュラリア菌)

ライグラス、ベントグラスなどの寒地型芝に8月ごろから高温、日照不足、多湿(朝露がつく)条件下で感染が始まる。最初の感染は地際部で、その後5cmくらいのスポット状に赤褐色の葉枯れが生じ、胞子飛散で急激に面積が広がり地上部は枯死する。

【発生芝種】ライグラス、ケンタッキーブルーグラス、ベントグラス、フェスク
【別名】グレイリーフスポット(Gray leaf spot)、ブラ―スト(Blast)

菌の主な生息部位

 

発生芝種・発生時期

 

いもち病

 

発生生態

ライグラス、ベントグラスなどの寒地型芝に8月ころから高温、日照不足、多湿(朝露がつく)条件下で感染が始まる。最初の感染は地際部で、その後5cm位のスポット状に赤褐色の葉枯れが生じ、胞子飛散で急激に面積が広がり地上部は枯死する。放っておくと根部まで侵される。感染が疑われる場合は芝ソッドをポリ袋に入れて湿室とし、1~2日放置しておくと感染部分に白色の粉が現れてくる。これを顕微鏡で観察すると無数のいもち病菌の胞子が確認できる。ノシバなどの暖地型芝やメヒシバにも感染するがその発生頻度は少ない。

 

予防対策

肥料(窒素)過多にならないように特に注意する。秋期オーバーシードされた発芽直後の子苗ライグラスでの発生が目立つ。最低気温が20℃を下回る10月以降に播種を遅らせば発生を免れられる。乾燥害と考えて散水すると胞子が飛んで被害がさらに広がる。一度発生させると感染枯死葉で菌は越冬するので 翌年も発生する。 本病は種子伝染(ノシバ)するといわれているので購入時にはチェックすることが薦められている。

 

治療対策

防除薬剤としてはMBC、DMI、ジカルボキシイミド、QoI、多作用点阻害剤がある。耐性が出やすい菌であるので作用性の異なる薬剤をローテーション使 用することが大切である。発生すると急激に面積が拡大していくので後手にまわり、薬剤散布は未感染芝を守るに過ぎなくなる。

 

 

バイエルの推薦防除方法

TPN剤、QoI剤、DMI剤が有効であると考えられます。また、窒素が多いと発生を助長するため控えることも有効です。

 

参考写真

いもち病 33-1

いもち病菌の白色菌そう

 

いもち病 33-2

ベントグリーン(8月)に発生したいもち病 a:葉身上に見られたいもち病菌の子柄と胞子。 胞子は3細胞からなり西洋ナシの形をしている b:胞子は子柄の先に形成される

 

いもち病 33-3

形成された多量の胞子は表面流水や風で飛散し、感染を拡大する(ライグラス 9月)

 

いもち病 33-4

胞子は芝の表面の水滴の中で発芽し、暗褐色の付着器(矢印)を形成して侵入する

 

いもち病 33-5

褐色の斑点状に発病したフェスク(9月)。ポリ袋に一晩いれておくと病斑上に白い粉(胞子)が出てくる

 

いもち病 33-6

9月にオーバーシードしたライグラスに発生したいもち病(ティ 9月)

 

いもち病 33-7

ノシバにオーバーシードされたフェスクに発生したいもち病(9月)

 

いもち病 33-8

同左の拡大写真。ノシバには感染せず、フェスクのみが感染枯死している

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