ヘルミントスポリウム葉枯病

病原体:ヘルミントスポリウム属菌(カーブラリア菌、ビポラーリス菌、ドレックスレラ菌など)

ヘルミントスポリウム属グループの6種類の菌による葉枯性の病害の総称。高温、多湿条件で発生するが、芝が弱っているときに感染すると根部まで侵されてしまう。

【発生芝種】日本芝、ベントグラス、ライグラス、バミューダグラス、ブルーグラス
【別名】リーフスポット(Leaf spot)、ネットブロッチ(Net blotch)、カーブラリアブライト(Curvularia blight)

菌の主な生息部位

 

発生芝種・発生時期

 

ヘルミントスポリウム葉枯病

 

発生生態

ヘルミントスポリウム属グループの6種類の菌による葉枯性の病害の総称である。高温、多湿条件で発生するが、芝が弱っているときに感染すると根部まで侵されてしまう。コウライグリーンやコウライティに発生するヘルミントスポリウム葉枯病は特に犬の足跡(病)といわれ、約10cm位の暗褐色のスポット病斑である。 サッチや窒素が多く、土壌水分が多いところでは発生が目立つ。肥料を控え過ぎたり、散水と乾燥を繰り返しても発生しやすくなる。露が降りる秋になると病斑 上に気中菌糸が形成される。菌の病原力は強く気孔や傷口から侵入し、葉、葉鞘から下部のほふく根茎、冠部まで感染する。

 

予防対策

ある種の除草剤、植調剤は発生を助長するという。アンモニア態窒素や珪酸の施肥、また土壌表層を酸性にすると発生は抑制される。 秋期10月以降に発生させると回復が極めて遅く、ダラースポットと同様、翌年の春まで跡が残るので要注意である。

 

治療対策

ジカルボキシイミド、DMI、MBC、多作用点阻害剤などが有効である。しかし、同一薬剤で4~5年連続使用すると効果が低下するといわれる。作用点の少ない薬剤は耐性菌が出る危険性が高く、その出現の報告もある。それゆえ、作用性の異なる薬剤を交互に使用すべきである。ドレックスレラ菌による病害に対し てはDMI剤の効果は弱いといわれる。

 

バイエルの推薦防除方法

ジカルボキシイミド剤、DMI剤が高い効果を示す。予防散布が特に有効です。

 

参考写真

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-1

カーブラリア菌(犬の足跡)の黒色の菌そう. ヘルミントスポリウム属の菌そうはいずれも黒い 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-2

罹病芝の表面に突出して形成されたカーブラリア菌の分生子柄とその先端の分生胞子(矢印). 子柄は褐色で仕切りがあるのでよく似た炭疸菌の剛毛とは区別できる(7月) 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-3

休止中のコウライグリーン(7月)に発生したカーブラリア葉枯病(犬の足跡) 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-4

ティに発生した茶褐色の犬の足跡3個(矢印). 併発した薄い褐色のダラースポットと区別できる(コウライシバ 7月)

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-5

カーブラリア菌の分生胞子. 胞子の多くは5細胞からなり、2番めの細胞が大きいためか湾曲することがある 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-6

ベントグリーンに発生したカーブラリア葉枯病(7月) 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-7

ビポラーリス葉枯病菌の分生胞子は細胞の数が多く、仕切りも多い. 胞子の両端が細長くなっているのが特徴 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-8

ビポラーリス葉枯病のスポット症状. DMI剤と多作用点阻害剤との混用で防除する(ベントグリーン 10月) 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-9

仕切りの数がさらに多く、サイズも大きいドレックスレラ菌の分生胞子. 同倍率の上記2菌の分生胞子と比べるとその差がよくわかる 

 

ヘルミントスポリウム葉枯病 30-10

スポット的に発生しているドレックスレラ葉枯病(ベントグリーン 10月). 防除にはDMI剤と多作用点阻害剤の混用が適している

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