ネクロスティックリングスポット病

病原体:オフィオスフェレラ菌

ノシバやコウライシバに感染すると春期に生育が遅れてしずみ症状となる。感染が進むと中央の芝はほぼ枯死し、20~40cm大のベアーパッチまたはリング状の枯死帯(フロッグアイ)となる。

【発生芝種】日本芝、バミューダグラス、ケンタッキーブルーグラス、ベントグラス、ライグラス、レッドフェスク

菌の主な生息部位

 

発生芝種・発生時期

 

ネクロティックリングスポット病 

発生生態

ノシバやコウライシバに感染すると春期に生育が遅れてしずみ症状となる。感染が進むと中央の芝はほぼ枯死し、20~40cm大のベアーパッチまたは リング状の枯死帯(フロッグアイ)となる。病原菌は乾燥に比較的強く、芝が乾燥ストレスを受けると症状はより激しくなる。高温になる夏期には回復傾向となるが、翌年春にはまた同じ芝に発生する。下葉から地下茎、根部まで感染するETRI病のひとつである。人工接種すると最外葉の葉鞘から感染し、感染から発病までの期間は短く病原力は強い。 秋には葉鞘や根に偽子のう殻(胞子を造る器官)を形成する。芝の回復は極めて遅い。本病はゾイシアデクラインとの混合感染が多いようである。発生症状から はゾイシアデクラインとの区別は極めて困難である。顕微鏡下で裂片状の菌足の有無を確認することで区別が可能となる。

 

予防対策

ゾイシアデクラインと同様、発生してから気付くことが多い。ベアーにならないうちに殺菌剤を処理し、芝の生育を促すこと(肥料、散水)が大切である。

 

治療対策

薬剤散布は秋期であるが、症状が激しい場合は春期にも必要となる。本病は根部をも侵すETRI病のため薬剤およびその使用方法はゾイシアデクラインと同様であり、多水量で処理しないと効果が現れない。回復にも長期間を要するので張り替えも考慮しなければならない。

 

バイエルの推薦防除方法

主に秋の日本芝休眠期前の散布が有効です。根部に感染するため、散布水量を上げるなどの工夫が必要です。同じ箇所に発生するので複数年かけて状態を改善していくことが必要です。

 

参考写真

ネクロティックリングスポット病 13-1

ネクロティックリングスポット病のオフィオスフェレラ菌は後期になると暗褐色の菌そうとなる

 

ネクロティックリングスポット病 13-2

細長い子のう胞子(右). 1個の子のうから数個の子のう胞子が出てきている(左)

 

ネクロティックリングスポット病 13-3

オフィオスフェレラ菌を葉鞘に感染させ、現れた褐色の表面菌糸と単純型菌足(矢印). その菌足から伸びた菌糸が寄主の組織内に侵入している

 

ネクロティックリングスポット病 13-4

感染させたノシバの地際に近い根部表面のみにみられたオフィオスフェレラの菌足. 裂片状の菌足は葉鞘には見られないので顕微鏡による診断は極めて難しい

 

ネクロティックリングスポット病 13-5

分離菌の人工接種による感染、発病させたスズメノカタビラ 左:健全個体 右:接種個体 第1葉の根元に褐変発病している(矢印)

 

ネクロティックリングスポット病 13-6

接種4ヶ月後のノシバ根部の様子. 感染根は変色し、褐色表面菌糸が見られる(左). 右は健全根

 

ネクロティックリングスポット病 13-7

ネクロティックリングスポット病は完全裸地化したパッチが多い(コウライティ 8月)

 

ネクロティックリングスポット病 13-8

初期は枯死パッチであるが、その後裸地化する. 夏期になると初期パッチの一部は自然回復する. このパッチからはゾイシアデクラインの菌も検出された(コウライティ 5月)

 

ネクロティックリングスポット病 13-9

ベアーパッチの拡大写真. 縁の褐色芝は新しく感染が広がった部分と考えられる. パッチ内の白色は目砂の色(コウライティ 5月)

 

ネクロティックリングスポット病 13-10

フェアウェイに発生した回復中のネクロティックリングスポット. 周囲の健全芝がパッチ内に伸展しているため褐色芝はみられない(6月)

 

ネクロティックリングスポット病 13-11

ネクロティックリングスポットに感染したノシバ. 健全芝(a)と異なり、感染芝(b)の葉はほとんど枯死し、地際部、ほふく根茎、根部の一部は黒褐変している(4月)

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