疑似葉腐病(春はげ症)

病原体:セラトバシディウム菌(2核のリゾクトニア菌)

感染は主に秋期の気温が10~15℃のとき、即ち芝の冬枯れ(休眠)直前の時期に起こる。発病はゆっくりと進行するが芝は褐色に枯れているためパッチとしては見えない。この感染した部分が春の萌芽時期になると10~100cmの円形~不定形で、淡褐色のパッチとして残り初めて気づくようになる。パッチは萌芽がそろう1か月後には消失(自然回復)する。

【発生芝種】日本芝
【別名】春はげ、リゾクトニア性春はげ症

菌の主な生息部位

 

発生芝種・発生時期

疑似葉腐病(春はげ症)

 

発生生態

冬暖かく、乾燥する翌春には発生が多くなる。感染は主に秋期の気温が10~15℃のとき、即ち芝の冬枯れ(休眠)直前の時期に起こる。発病はゆっく りと進行するが芝は褐色に枯れているためパッチとしてはみえない。この感染した部分が春の萌芽時になると10~100cmの円形~不定形で、淡褐色のパッ チとして残り初めて気付くようになる。パッチは萌芽がそろう1ヵ月後には消失(自然回復)する。それ以降もパッチが残っているようであれば春はげ症とは異 なる病気(ゾイシアデクラインなど)の可能性がある。春が遅いと春感染(発生)がみられるが、そのパッチは褐色で、秋感染のものよりも小形であり、パッチは拡大しない。

 

予防対策

病原菌の感染適温になる10月下旬~11月中旬の予防散布が基本である。春が遅いと春発生の可能性がある。このような発生があるところでは秋遅くに残効性の良い殺菌剤を使用する。秋に目土の多用、窒素肥料過多や乾燥気味のところに発生しやすい。 予防剤としてはDMI剤、QoI剤、ジカルボキシイミド剤、SDHI剤などがある。多くの場合秋のラージパッチ薬剤の散布で同時予防される。

 

治療対策

発生後に薬剤散布しても芝の回復は早まらない。潅水、更新作業は回復促進効果が認められる。コウライグリーンに発生してしまった場合は薬剤処理よりも芝の回復管理に努めるか、芝の張り替えとなる。

 

バイエルの推薦防除方法

SDHI剤、QoI剤、DMI剤の秋期予防散布が効果的です。

 

参考写真

疑似葉腐病(春はげ症) 28-1

淡褐色のセラトバシディウム菌(春はげ症菌)
 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-2

発病葉鞘に見られる春はげ症の病原菌糸 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-3

a:セラトバシディウム菌をギムザ染色すると1細胞に2個の核(赤褐色の点)が認められるので"2核のリゾクトニア"とも俗称される
b:ラージパッチのリゾクトニア菌は1細胞に数個の核が存在する"多核のリゾクトニア"である 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-4

コウライグリーンに発生した春はげ症. 発生してからの薬剤処理では間に合わない. 前年秋に処理しておくべきである(4月) 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-5

アプローチに発生した春はげ症. 特に砲台グリーンでは遠くからでも見える(4月) 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-6

ティ前に発生した春はげ症(4月) 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-7

フェアウェイ全面に発生した春はげ症. ゾイシアデクラインと間違えやすい(4月) 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-8

排水管の上に並んで発生している春はげ症. 乾燥しやすいところに発生することを示している(フェアウェイ 4月) 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-9

前年秋の薬剤無散布区(右側)に大発生した春はげ症. 左側は薬剤散布区(4月) 

 

疑似葉腐病(春はげ症) 28-10

写真上部は前年10月DMI剤散布区、手前の無散布区には発生している(4月)

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